BT

最新技術を追い求めるデベロッパのための情報コミュニティ

寄稿

Topics

地域を選ぶ

InfoQ ホームページ ニュース ストーリウォールを作るためのさまざまなアプローチ

ストーリウォールを作るためのさまざまなアプローチ

原文(投稿日:2014/10/20)へのリンク

アジャイルチームのワークスペースには,情報を拡散する手段として"情報ラジエータ"が必要だ。ストーリボードはそのひとつで,それぞれのカードが現在のイテレーションあるいはスプリントの状態を示す。初めてアジャイルに取り組むチームにとって,ストーリボードを立ち上げることは,大きな課題のひとつだ。

Elabor8のアジャイルビジネスアナリストで,シニアコンサルタントのRyan Mckergow氏が先日のブログ記事で,ストーリボードを立ち上げるためのさまざまなアプローチについて解説している。その内容は,ストーリカードの列と行,アバター,色といった,ストーリウォールをデザインする上での基本的側面に関するものだ。

“To Do”, “Doing”, “Done” といった基本的な列の他にも,ストーリカードの状態を視覚的に表す列を使うことができる,と氏はいう。例えばプロダクトバックログ,イテレーションバックログ,分析,デプロイ,テスト中,サインオフ,完了,分析/デプロイ/テスト/サインオフ待ち,デプロイ済などだ。

列と同じように,さまざまな行,あるいはスイムレーンを設けることも可能だ。スイムレーンを使えば機能グループやストリームについて,未計画や停止中などの状態を表現することができる。

ストーリカードにアバターを使用することで,そのカードで作業しているのが誰なのかを知ることもできる。アバターとして使えるものには,次のような形式がある。

  • チームメンバの顔写真
  • メンバのファーストネームを読みやすい太字で示したもの
  • ストーリカードの大さに比例したアバター

作業のカテゴリに基づいて色分けすれば,ストーリカードの視認性をさらに高めることができる。ストーリは白,バグは赤,スパイクは青といった具合だ。

オーストラリアのLuna TractorでアジャイルコーチをしているFiona Siseman氏は,アバターを利用してユーザストーリをカテゴライズしている。氏はAgile Board Hacksブログ記事で,その経験を公開した。

私たちはダミーのEメールアカウントを作って,gravatar.comのアイコンに関連付けました。そのアカウントをTrelloボードにメンバとして追加すれば,カードのステータスステッカとしてアイコンが使用できるようになります。ボードメンバの名前に同じプレフィックスを("z_blocked", "z_kicked", "z_walked_through"のように)付けておけば,これらのアイコンは,どのリストの上でもひとつにまとまります。

カードを張り出すウォール(壁)は物理的なものでも,あるいは電子的なものでもよい。ひとつの場所にいるチームには,物理的なウォールの方が使いやすい。しかし仮想カードウォールには,インデックスカードが壁から落ちて情報を失うことがない,分散型チームがひとつの稼働カードウォールを見て会話することができる,それぞれのチームメンバがフィルタを使って自分に関するビューを作ることができる,プロジェクトのトラッキングが容易など,物理的なウォールにはないメリットがいくつもある。

2つを併用して,両方のアプローチのメリットを得ることも可能だ。氏によれば,

同じ場所にいるチームが電子ウォールのメリット(例えば詳細なドキュメント)を活用したいと思う場合には,ストーリカードの列を更新しなくてよいように,ドキュメントも一緒にストア可能な設定をすることを推奨しています。それによって物理的なウォールを,プロジェクトの実態を示す主ソースとすることができます。分散型のチームならば,物理的と電子的の両方でストーリウォールの複製ができればベストです。形のあるボードを電子ウォールでバックアップするという方法から得られるメリットは,ボードを同期するために必要な労力というデメリットをはるかに上回っていると思います。

氏はストーリウォールを作成するためのさまざまな方法を紹介しているが,まずはいくつかのプラクティスを試してみて,チームへの適合性を見ながら修正していくことを勧めている。

ストーリウォールの電子バージョンを提供するツールは数多くある。例えばMingleは,仮想ストーリウォールの作成を可能にするツールだ。物理的なカードウォールと同じように列やカードを作ったり,チームの作業の完了に伴ってカードをドラッグアンドドロップすることもできる。 Mingleと同じように,TrelloJiraなどのツールも利用可能だ。

この記事に星をつける

おすすめ度
スタイル

BT