BT

最新技術を追い求めるデベロッパのための情報コミュニティ

寄稿

Topics

地域を選ぶ

InfoQ ホームページ ニュース Node.jsとio.js、Node Foundationのもと統合へ

Node.jsとio.js、Node Foundationのもと統合へ

ブックマーク

原文(投稿日:2015/05/16)へのリンク

io.jsのテクニカルコミッティが今度のNode Foundationに参加することを投票で決めた。プロジェクトの名前はNode.jsだが、io.jsのリポジトリがベースになる。

Node.jsは数ヶ月前にフォークされ、io.jsという名前の新しいプロジェクトが2015年1月に最初のリリース1.0を出した。Node.jsのフォークはこれまでもあったが、今回は違った。多数のトップコントリビュータがNode.jsから離れ、io.jsにプルリクエストするようになったのだ。コミュニティは分断してしまった。2014年を通してNode.jsへのコミット数は着実に落ちており、その傾向が2015年も続いていることもあるが、このフォークの主たる理由はガバナンスにあった。コントリビュータの一部は、Node.jsが特定の企業の管理下にあり、コードを改良するたびにプロジェクトリーダーを説得しなくてはならないのを不満に思っていた。

io.jsは「V8に対する最新の言語、API、パフォーマンス改善」をマージし、「オープンガバナンスモデル」のもと、「すばやく予測可能なリリースサイクル」を目指して始まった。彼らは1月に1.0をリリースし、ほどなく2.0をリリースした。バージョン番号にはそれほど意味はないかもしれないが、コミット数には意味があるだろう。io.jsはNode.jsに比べてアクティビティが高く、1月のアクティビティ増加はこれまでのピークを超えていた。

だが、io.jsの将来ははっきりしていなかった。新たな船に乗り込むべきかもしれないと考えるコミュニティメンバーもいた。

Benjamin Lupton氏: これはIO.jsにまつわる問題です。長期的なものでしょうか?短期的なものでしょうか? だれもその答えを持っていません。

Yuri Soloviov氏: 私が一番恐れているのは、N個のフォークはN倍の労力を意味しており、全員の速度が落ちることです。

それにもかかわらず、io.jsは毎週新しいバージョンをリリースし続け、Uber、MongoDBMicrosoft Azureなどがサポートし始めた。

Joyentはすぐさま反応した。テクニカルステアリングコミッティ (TSC: Technical Steering Committee) がリードし、IBM、PayPal、Microsoft、Linux Foundationが支援する、Node Foundationを創設するつもりであることを2月に発表した。このFoundationはio.jsのコミッターたちが言及していたリーダーシップの問題を解決するものだ。JoyentのCEOであるScott Hammond氏はio.jsのテクニカルコミッティメンバーをプライベートミーティングに招待し、彼らに戻ってくるよう提案した。数ヶ月の議論を経て、今週、io.jsのテクニカルコミッティは新しいFoundationに参加することを投票で決めた

io.jsによると、2つのプロジェクトはNode Foundationに統合され、Node.jsの名前を使い、io.jsリポジトリをベースとする。そして「Node.jsとio.jsのコアテクニカルチーム合同での監督のもと」暫定運用されることになる。

最近の投稿で、Hammond氏は彼自身の考えを述べた。

Foundationで解決する必要のある、最も大きく、最も明確な課題は、Node.jsコミュニティの開発者間にある摩擦でした。歴史的に、プロジェクトはBDFLモデルで仕事をする少数のコア開発者によって運営されていました。新しい人がプロジェクトに参加するのは難しく、実に多様で情熱的なコミュニティがオーナーシップを実感できるほどの透明性はありませんでした。その結果、オープンガバナンスモデルでの運営を望んだ開発者たちが、io.jsというフォークを作りました。そのチームはガバナンスとエンゲージメントのモデルを刷新するという、すばらしい仕事をやり遂げました。Node.js Foundationのモデルはそうしたポリシーに基づいており、Node.jsの将来に大きなコミュニティエンゲージメントを保証してくれるでしょう。 …

Node.js開発者コミュニティの再統合は、引き続きFoundationの重要な目標です。

Linux FoundationのDirector of Strategic Programsであり、Joyentとio.jsテクニカルコミッティの間の議論を手助けしたMike Dolan氏は、最近こう述べた。「技術とコミュニティがある成熟度に達し、ひとつの企業やプロジェクトの枠を超えて導入が進んだとき、Foundationは継続的成長を可能にする重要な要素となります。」ただし、彼はこう付け加えた。「オープンガバナンスモデルだからっと言って、成功や成長が保証されるわけではありません。io.jsプロジェクトは強力な開発者コミュニティを持っていますが、さらに成長するには、たとえば、プロジェクトの資金調達や投資を可能にするモデルが必要です。」とりわけ彼は両者に対して、ガバナンスドキュメントを仕上げ、Board of DirectorsとTSCの選挙を実施し、5月の終わりか6月初めにNode Foundationとそのメンバーシップを発表するよう、アドバイスしている。

この記事に星をつける

おすすめ度
スタイル

BT