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自律性と仕事に対する満足度

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原文(投稿日:2016/10/20)へのリンク

やっている仕事で意思決定を下せることは、お金よりもモチベーションを高める。Belle Beth Cooper氏は5月のQuartzの記事でそのように述べた。彼女はその中で、いくつかの研究成果とこの知識をリーダーとして活用する方法について述べている。

彼女は、自律性、自らの行動をコントロールできることは、仕事に対する満足度、仕事へのエンゲージメントレベル、転職に影響を及ぼす、と書いている。また、カスタマーサービス従業員のストレスレベルも低減する。彼女は、英国の公務員における自律性低下と心疾患には相関関係がある、という研究を引用した。

ランカスター大学の経済学者によると、仕事に自律性を感じられることは、仕事に対する満足度に対する非常に重要な指標であることがわかっている。コロラド大学の神経科学者であるSteve Maier氏は、ラットとストレス状態を用いた研究を通して、与えられた環境におけるコントロールの度合いが大きくなればなるほど、経験するストレスレベルは低減されることを示した。

NeuroLeadership InstituteのディレクターであるDavid Rock氏は、“Managing with the Brain in Mind”というタイトルの記事でこう語っている。「従業員が自分でコントロールできない、あるいは主体的にやれないと感じているとき、不安感が高まり、ストレスレベルは上がります。これに対して、自律性があると感じると、安心感が高まり、ストレスは軽減されます」

Joan Cheverie氏はEDUCAUSE Reviewの記事で、こうした科学的知見がいかにマネージャーのスタッフ管理に影響を与えるかをまとめている。 「言い換えると、いかに仕事を任せて、チームに自律性を与えるか、マネージャーは学ぶ必要があるのです」

Cheverie氏はマネージャーがストレスを低減して自律性を高めるための方法をいくつか挙げている。ひとつは「責任を課すための指示としてではなく、全員の成功を確実にするための不可欠な情報として、目標を立てること」だ。組織構造の下位にいる人たちには、なぜやるのかはっきりわからないことが多い。取り組みの背後にある理由は、具体的な変化に必要とされるコンテキストを与える。

さらにCheverie氏はこう書いている。最終目標(「What」)を特定すること、そこへ至るステップ(「How」)をチームに決めさせることで、チームは自分たちによりふさわしい解決策を見つけることができ、コントロール感を高めることができる。

Cheverie氏は最後に、目標を達成する上で、チームの努力を評価することをすすめている。彼らの仕事が会社の損益にどれだけ直接影響を及ぼすかを認識するのに、評価はスタッフにフィードバックを与える。

Cooper氏はマネージャーがより大きな自律性を与えるためのヒントも挙げている。

人というのは自律性や独立性を放棄するのが難しく、マネージャーは少しずつ自律性を与えることをCooper氏は提案する。たとえば、週1日の在宅ワークというのは、スタッフに常時リモートで仕事をさせるよりも安全な選択肢だ。

選択を感じられることが重要だ。David Rock氏が提案しているのと同じように、Cooper氏は、目標と許容されることの境界を明確に与えることをすすめている。そのサンドボックス内での選択はチームメンバーに任せよう。そうすれば、自律性が十分感じられるだろう。

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