人を排除しないよう、間違っているときにはより意識を高める必要がある。また、なぜわれわれの言動によって誰かが混乱したり、怒ったりするのかを明らかにするため、内省的になる必要がある。人は排除されることにより、最終的には仕事、コミュニティ、職を離れる。これらは防がなくてはならないものである。Peter Aitken 氏は、包含問題に取り組む際のポジティブなアプローチを提案した。
Litmus社においてアジャイルなRubyとJavaScript開発者で、ScotlandJSとScotlandCSSカンファレンスのオーガナイザーでもあるAitken氏は、Lean Agile Scotland 2017で包括的な言葉と振る舞いについて講演した。InfoQはこのカンファレンスをQ&A、サマリ、記事によりカバーする。
InfoQはAitken氏に包括的な言葉と振る舞いについてインタビューした。
InfoQ: 包括的な言葉と振る舞いとは何でしょうか?
Peter Aitken氏: あなたがエンゲージする全ての人に対して思いやりのある言葉と振る舞いのことです。全てのインタラクションにおける最低限のベースとして、人々に価値があると思わせなければなりません。
具体的には、逆の視点から見れば簡単でしょう;"人々を排除する言葉と振る舞いの要素は何か?"
恩着せがましい人、性差別主義者、人種差別主義者、同性愛嫌悪者、性転換嫌悪者、年齢差別する人、頑固一徹な人(他にも多数)の言葉と振る舞いは、たとえ家で、家族や友人といても、職場やコミュニティでも、どの環境においても人を傷つけ、怒らせるのです。
InfoQ: なぜ問題となるのでしょうか?
Aitken氏: 人は排除されることにより、最終的には仕事、コミュニティ、職を離れます。
社会は、平等が存在するという印象を与えています。残念ながら平等とは旅であり、社会はその上にあり、まだ長い道が続いているものなのです。
技術開発者の大多数は非常に特権的な立場から来ており、一般的に、少数グループの人々がわれわれのフィールドで苦しみ、それを超えて苦労していることを理解していません。
人々は、彼らがシスジェンダーで異性愛者で健康な白人男性(ステレオタイプのソフトウェア開発者)とは違う風に存在しているという潜在的な - ときには無意識な - 原因により様々な方法でいじめられ、嫌がらせをされ、けなされているのです。
大多数が平等に対する認識を維持することを可能にしているのは、理解と認識の欠如なのです。
スコットランドだけでも、開発者のジェンダーの統計値(バイナリ)の4~12%は女性です。これらの数字は完璧な50-50のバランスには決してならないものの、現在の数字を考えると明らかに何か間違っています。
真の平等をもたらすためには、過去のどこで間違えたのかを知り、将来、問題についてよりよく話し合えるように、教育し、理解する必要があります。
これがないと、少数グループの人々は仕事か職を変えるまで日に日に自信と自尊心を失い続けるのです。
InfoQ: 誰かが不注意に人を排除しているのを見た場合、何ができるのでしょうか。
Aitken氏: 学びの最高の機会を与えてくれるポジティブなアプローチを取ることです。
わたしとしては、その人をグループの環境から離して、彼らが言ったことがなぜ不適切なのか、攻撃的なのか、排他的なのかを説明することを提案します。
理想的には、会話の終わりには共通の理解が得られていること、一番いいのは、このフィードバックをあなたがくれたことに感謝されていること、そしてその人が学んだだことをグループに持ち帰り、お詫びし、得たものを共有することです。
恐らく、これら全てはその人にとっていくらかバツの悪いものとなるでしょう。しかしながら、その人をグループの環境から離すことで、彼らがみんなの前で恥ずかしい想いはしません。そんなことがあればさらに防衛反応が起こり、学びと自己改善は起こりにくくなるでしょう。
InfoQ: もし自分が排除されていると感じたら、排除しているその人にどうやって伝えますか?
Aitken氏: 先ほどと同じアプローチを取れます。効果がない場合は、職場でイシューを挙げることもできますし、コミュニティイベントなら行動規範違反について運営者に働きかけることもできます。
多様性と包括性は経営目標に及ぶ問題で、社会的責任がある組織として見られる問題である。多様性と包括性に関するInfoQの記事ではShaheen Akram氏が、包括的な環境を作るために組織は何ができるかを説明している:
Shaheen Akram氏: マネージャを優れたマネージャに仕立てるのが重要であり、私の経験ではこれが第一歩です。従業員とより良い関係を築き、信頼し、育て、潜在的なバイアスやステレオタイプに注意するようにマネージャを促すことでマネージャの経験も従業員の経験も強化されます。雇用、コミットそして目的達成という観点でよい結果をもたらすでしょう。
InfoQ: どうしたら言葉と振る舞いをより包括的にできるでしょうか。
Aitken氏: 集団で、そして個人で、われわれは自分より少ない特権を持っている人々の苦痛をもっと理解する必要があります。学びの観点から、あなたと違うバックグラウンドを持つ人々をソーシャルメディアでフォローし、彼らの苦闘について学ぶのです。
間違ったところにいて、問題を解決するために内省的になる必要があるときには、意識を高めなければなりません:
- われわれの言動に対して、なぜ混乱したり起こったりしているのか?
- 将来、何をよりよくできるか?
- 改心するにはどうしたらいいか?
最近のカンファレンスで、ある講演者が不適切なことを言って、すぐさま"すみません。今のコメントは不適切でした。"と述べました。この行動により講演者は、どのように振舞って、即座に修正するかという意識を実演してみせたのです。
われわれは新しく得た理解を共有することで、互いを高め合う必要があります。この行動により、それぞれが懸命に改善しようとしている不完全な仕掛品であると示すことを、目に見えて受け入れられるようにするのです。
Rate this Article
- Editor Review
- Chief Editor Action