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Googleとのコラボレーションで新しくなった"Accelerate State of DevOps Report" - DORAのNicole Forsgren博士に聞く

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原文(投稿日:2018/04/05)へのリンク

読者の皆様へ: 皆様のご要望にお応えするべく、ノイズを削減する機能セットを開発しました。皆様が関心をお持ちのトピックを、EメールとWeb通知で受け取ることができます。新機能をぜひお試しください。

DevOps Research and Assessment (DORA)とGoogle Cloudは、“The Accelerate State of DevOps Report”として、ソフトウェア開発の問題に焦点を当てた独自の調査を実施する。この調査は、技術提供チームのリソース管理や生産性、品質の向上に関するガイダンスを提供するための、新たな知見の獲得を目的とする。

DORAは、企業のプラクティス転換への理解を深めることを目的に、データ駆動による調査方法論の活用とエビデンスベースのツール開発を通じて、ソフトウェア開発と製品管理、組織変革に対する科学的アプローチを導入し、実践する団体だ。

InfoQは、先日リリースされた書籍'Accelerate: The Science of Lean Software and DevOps: Building and Scaling High Performing Technology Organizations'の著者のひとりでもある同社CEOのNicole Forsgren博士に、今回の発表について詳しく聞いた。

InfoQ: 発表の中では、今回の調査の目的について、“開発者にとって最も重要な問題”を見つけることだと述べられているのですが、調査はDevOpsを対象としています。その他の役割も含まれているのでしょうか?

Dr. Nicole Forsgren: もちろんです!調査は当然、ソフトウェア提供パイプライン全体のチームを対象としています。より多くの開発作業が自動化されることによって(ITオペレーション専門家のインフラストラクチャ・アズ・コードのように)、誰もが“開発者”になる可能性があります。これまでに行われた調査あるいはレポートのように、誰かを調査の対象外にするようなことはありません。

InfoQ: State of DevOps Reportsは過去6年間、Puppetとの提携の下で実施されてきました。今回の発表では、主要なパートナがPuppetからGoogle Cloudに移行したことを認めています。これまでのState of DevOps Reportsで収集されたデータや洞察は、今回の調査ではどのように活用されているのでしょう?

Forsgren: 今年のレポートは概ね過去の方法を踏襲しています - これまでのレポートでの発見の上に積み上げられると同時に、ハイパフォーマンスを推進し、影響を与えているものを特定するための新たなプラクティスとプロセスを探求しているのです。

InfoQ: 2017年のレポートでは、変革的リーダシップというテーマが中心的なセクションになっていました。新たな調査では、技術提供プロセスにおけるリーダとマネージャの役割について、引き続き探求しているのでしょうか?

Forsgren: 今年のレポートのリサーチデザインは現在確定中なので、確かなことは言えませんが、ソフトウェア提供のパフォーマンスと組織的パフォーマンスを推進する上で中核となる文化的および組織的要素を探求していることは間違いありません。リーダシップ変革については昨年大きな発見がありましたし、Accelerateでも深く掘り下げているので、改めてテーマとして取り上げるかどうか定かでありません。

InfoQ: 以前のレポートでは、ハイパフォーマンスなIT組織とハイパフォーマンスな組織に相関関係が成立していました。それから時が経ち、テクノロジと“ビジネス”の活動を結び付ける組織が増えています。調査では、ビジネスとテクノロジにまたがる役割(プロダクトオーナなど)や、テクノロジグループとビジネスグループによる連携の方法について、どのように取り組んでいますか?

Forsgren: 私が調査を指導したレポートでは、ソフトウェアデリバリのパフォーマンスが組織のパフォーマンスの重要な予測要素であることが分かっています。先程も述べたように今年のリサーチデザインはまだ完了していませんが、リーンプロダクト管理がソフトウェアのデリバリと組織のパフォーマンスを向上させることを確認しています。この件についてはAccelerateで深く論じています。

InfoQ: Google Cloudとの提携によって、これまでより幅広いユーザ、あるいは異なるユーザにアプローチできると期待していますか?

Forsgren: Google Cloudとの新たな研究協力については、オープン性および知識共有に対する同社のコミットメント、IT変革を推進する要因の研究における強力なバックグラウンド、オープンテクノロジに対する素晴らしい貢献歴などの面から、大きな期待を持っています。対象者や採用面でのあらゆる違いがリサーチデザインに影響すると思います。

InfoQ: 今回の発表では、“GoogleはIT変革を促進する他の要素についても検討を進め、その成果を公開する予定である”、とされていますが、このような成果について、重要な例をいくつかあげて頂けますか?

(ここでFotrsgren氏は、Google Cloud Platform(GCP)のテクニカルプロダクトマーケティング部門でグローバルリーダを務めるCornelius Wills氏に、産業界と学術パートナにわたる綿密な調査への貢献と支援に関わるGoogleの評価について説明するように促した。

Cornelius Willis: 私たちはあらゆる種類のものに対して、ユーザリサーチをしています。クラウドサービスの利用状況、開発者によるツールやAPIの使用方法、GCPプロダクト利用のさまざまな組み合わせパターンからプロジェクトの成功を予測する方法GCPのより効率的な利用を支援することによる顧客のコスト削減方法などがその例です。DORAとのパートナシップは私たちに、広く認知された業界標準や、IT変革を説明する用語を提供してくれます。これによって私たちは、調査結果をその枠組みに戻すことが可能になります。Googleには技術アーキテクチャを含む重要な洞察を公開した歴史があります。DORAとのパートナシップでは、これと同じような方法で、変革のトピックを広く公開したいと思っています。

InfoQ: 共同プロジェクトの状況について、もっと詳しく説明して頂けますか?

Forsgren: Google Cloudはこのプロジェクトの共同研究者であり、私は引き続きプロジェクトの調査主任を務めます。

InfoQ: The Accelerate State of DevOps Reportはいつ公開されるのでしょう?

Forsgren: 次回のレポートは今秋のリリースを予定しています。

 
 

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