Google Cloudはこのたび、PostgreSQL互換のデータベースサービスAlloyDBのダウンロード版であるAlloyDB Omniの一般提供を発表した。新バージョンはオンプレミスで動作するように設計されており、生成AIサービスが組み込まれている。このサービスはVMware Cloud Foundationで使えるようになる予定だ。
昨年3月にプレビュー版が発表されたAlloyDB Omniは、PostgreSQLとの互換性をそのままに、顧客はLinuxベースのコンピューティング環境に搭載されたAlloyDBデータベースエンジンを導入できる。AlloyDB Omniは、AlloyDB for PostgreSQLと同じエンジンを利用しているが、インデックスアドバイザ、AlloyDBカラムナエンジン、自動メモリ管理、古いデータの適合型自動バキュームなどのサブセットを提供している。
AlloyDB Omniは、Googleが提供するコマンドライン・プログラムを使ってインストールされるコンテナ内で動作し、Google Cloud内での動作に依存する機能には対応していない。しかしこの新しいオプションは、InfoQでも取り上げた最新のAlloyDB AIを活用しており、ベクトル化やAIに対応しているGoogleのシニア・プロダクト・マネージャー、Kevin Jernigan氏はこう説明する。
GAでは、AlloyDB Omniは、AlloyDB for PostgreSQLに組み込まれた統合機能セットであるAlloyDB AIを活用し、開発者が運用データを使用してエンタープライズ企業でも通用する生成AIアプリケーションを構築するのを支援する。AlloyDB AIは、標準的なPostgreSQLよりも10倍高速なベクトルクエリ、SQLを使用した簡単な埋め込み生成、Vertex AI Model Gardenやオープンソースの生成AIツールを含むGoogle Cloud AIエコシステムとの統合を実現する。
AlloyDB OmniのGAに続き、クラウドプロバイダーはAlloyDB Omni Kubernetesオペレーターのプレビューを発表した。これはデータベースのプロビジョニング、バックアップ、安定した接続性、観測性を簡素化し、顧客がほとんどのCNCF準拠のKubernetes環境でAlloyDB Omniを実行できるようにするものだ。
最近バルセロナで開催されたVMware Exploreで、Google CloudとVMwareは、オンプレミスのプライベートクラウドからVMware Cloud FoundationにAlloyDB Omniを導入するためのパートナーシップを結ぶことを発表した。Google CloudのCEOであるThomas Kurian氏は次のように述べている。
我々はVMwareとのパートナーシップを拡大し、VMware Cloud Foundation上でGoogle CloudのAlloyDB Omniデータベースを提供することで、顧客がワークロードをモダナイズし、さらにお手軽に生成AIアプリケーションを構築できるようになる。
SADAのシニアソリューションエンジニア、Taylor Justin Stacey氏は、開発者版の価値を強調する。
Omniの優れた点は、"AlloyDBには乗り換える価値があるのか？"という問いに素早く答えられることです。まずは開発者版（無料）をインストールし、google_columnar_engine.enabledフラグをオンまたはオフにしてクエリのテストをしてみましょう。パフォーマンスを比較してみてください。
AlloyDB Omniは、16-vCPUで月額1295ドルから利用可能で、100-vCPUでは月額6995ドル、1年および3年の一括契約には割引が適用される。Jernigan氏はこう付け加える。
各パックのvCPUは、必要に応じて複数のサーバーや仮想マシンで使用することができる。パック内のvCPUをすべて、決められた台数のサーバーや1台のサーバーで使用する必要はない。
AlloyDB Omniは、エンタープライズ・サポートと、セキュリティ・パッチや新機能のソフトウェア・アップデートを提供している。