先週発表された決算資料によると,Sun Microsystems の 買収 によって Oracle が参入したハードウェアビジネスの好転を示す最初の兆候が,ウォールストリートの収益予想を打ち破るのに役立ったようだ。
Oracle が今年初頭に Sun を手中にしてからというもの,窮地に陥ったこのサーバメーカの採算性を Oracle が取り戻せるかどうか,投資家たちによってその手腕が非常に綿密に調査されてきた。Sun は独立企業としての昨年,22億ドルにも及ぶ事業損失にあえいでいた。そしてその大部分が,彼らのコアビジネスに起因するものだったのだ。
Oracle は木曜日 ,Sun のビジネスが直近の四半期において利益性を取り戻し,4億ドル以上の営業利益を計上する見込みである,と発表した – ただし業務部門間の原価配分のため利益の全体像については不明確な部分が残っている,とする注釈付きである。Sun のハードウェア売り上げは,予想を越えて12億ドルに達した。Oracle 社長の Safra Catz 氏は 声明文 (PDF資料) で次のように述べている。
Sun の収益化を達成したことによって私たちは,2011会計年度で15億ドル,2012会計年度は20億ドルのGAAP外営業利益に Sun が貢献する,という目標以上の成果に対しての確信を深めています。
ただしこの目標を達成するには,相当なコストと人員の削減が必要となる。今月の 定例報告書 で Oracle は,買収当初の発表内容を越えて,さらに相当数の Sun 関連業務を削減すると表明している。Ellison 氏が投資情報として報道機関に語ったところによれば,同時に Oracle は Sun の営業部門を2倍以上に増強することを計画しているという。"私たちは Sun ビジネスの早急な強化に注力しています" と氏は付け加えている。
旧 Sun 従業員の数が急激に減少していることについては,Java コミュニティからも疑念の声があがっている。退職者の中には ML と XML の権威である Tim Bray氏,Sun オープンソース部門の責任者であった Simon Phipps 氏,Java の創作者である James Gosling 氏といった著名人も含まれているからだ。Oracle を離れた後の Gosling 氏は,
Oracle での生活について皆と話をするのに,ひどく長い時間を費やしてきました。彼らがうっぷんを晴らす場所を求めているので,私は聞き手に徹しようと努めています。退職者がとてつもない勢いで殺到しているため,Larry の手元に残るのは,遠からず知的財産の所有権だけになることでしょう。多分それが彼の希望なのだと思います。彼が Sun の人材について興味を持っていたことの証拠は,ほとんどないに等しいのです。
私たちは Oracle にコメントを求めたが,回答を拒否されている。