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GoogleがChromeでのH264の打ち切りを説明

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原文(投稿日:2011/01/21)へのリンク

ChromeチームがH264のサポートを打ち切ろうとしているという先週の発表のあと、Mike Jazayeri氏はこの決定の裏にある根拠についてより詳細な説明を公開した。

最初の発表は極端に賛否の割れた議論を巻き起こしたが、今回の説明文も同じような結果となった。説明文の中でMike氏はブラウザで動画を見るための"オープンな"コーデックを持つことによってvideoタグの将来に対するスタンスを明確にすることが必要であると強く主張した。このスタンスはWebMだけをサポートしているOperaやFirefoxの開発チームを含む、オープンソースソフトウェアを開発者たちには好意的に受け取られている。

しかし、コンテンツの制作者にとってはこの決定はそれほど喜ばしいものではない。デスクトップブラウザ以外では、H264は動画コンテンツで広く利用されている。H264はBlu-Rayで利用されているため、多くのデバイスがハードウェアアクセラレーションによるデコード機能を持っており、Intelの最新のチップはCPUが必要な場合にそれをアシストすることを可能にするプロセッサビルトイン機能さえもっている。それだけではなく、スマートフォン市場にはH264デコードが可能なデバイスで溢れ返っている。一方、WebMデコードを支援するハードウェアは1つもない。

批判的な立場の人の中にはSafariブラウザのシェアはコンピュータブラウザという範囲では丸め誤差程度だ、と強調するものもいる。(現在、約5%。)しかし、テクノロジーの爆発が実際に起きているのはモバイルの分野であって、伝統的なデスクトップではない。特に、ハンドヘルド製品ではバッテリー寿命が鍵であり、そのため、ハードウェアアクセラレーションがないビデオはその場に参加することが難しい。例えば、Appleの最新の売上報告によれば、iPadの売上個数はMacの売上個数を2対1で上回っている。iPhone/iPodは4対1である。デスクトップ上のSafariブラウザに対してモバイル機器ではその6倍が存在することになる。このことを大局的に捉えてみる。2010年の世界のコンピュータ市場は3億5000万、Blu-Rayデバイスが2500万、iPhone/iPod/iPadといった機器が1億であると見積もることができる。これらの機器の25%に相当する数がH264のビルトインサポートしているのだ。そして、3億5000万のコンピュータの大多数はWindowsであり、WindowsはH264をソフトウェアでもハードウェアでもサポートしている。

皮肉なことに、Chromeチームは"オープン"であることを強調し、"オープン"であることはよいことだから誰もがそれを好むに違いないと述べている。しかしながら、WindowsやOSXがネイティブにOSの一部としてH264をサポートしているだけでなく、FlashもH264動画のデコードを行う、と指摘する批判的な立場の人もいる。Flashはオープンでないことで有名だが、他の特許に関係する技術であるMP3、AAC、粗末なGIFと同様に、Chromeでいまだにしっかりとサポートされている。そう、これらはいまだサポートされているのだ。

この切替によってコンテンツ制作者がH264とWebMの両方で動画をエンコードすることを強いるようになる、と考える賛成者もいる。しかし、このコメントはそんなことは起こらないだろうとほのめかす。Chromeの立場によらず、FirefoxとOperaはWebMしか現状サポートしておらず、そのため、コンテンツ制作者は二重にエンコードするかわりに、他のブラウザでもH264をネイティブに扱うことが出来るFlash Playerを利用して、同じH264ストリームをデコードすることが出来るようにするだろう。技術はすでに存在するため、そこで起こることはブラウザ検出だけである。それが現在他のブラウザで利用されていて、Chromeにも拡張されるだろう。

最後に、WebMはオープンでありH264はクローズドであるとみなされている。だが実際、WebMをこれまで開発してきたのはたった2つの企業 - On2とGoogle - であり、その多くは閉じた扉の向こうに隠されている。その代わり、WebMコーデックと仕様は既成事実として公開されていて、仕様は矛盾がある場合にはしばしば参照実装に委ねられている。一方で、H264はハードウェアでの実装のための安定した仕様をつくることに既得権益を持つ企業のコンソーシアムによって開発されている。特許に覆われているけれども、H264の仕様は間違いなくWebMよりもオープンなモデルで開発されている。

先ごろ、フリーソフトウェア財団はGoogleのWebMを支持する態度を表明する提案を発表し、特許に妨害されないビデオコーデックだけが真にフリーになり得ると強調した(この見方は、WebMコーデックが知らず知らずのうちに既存の特許を侵害していることがない、という前提が必要ではあるのだが)。

H264は多くのハードウェア、ソフトウェアでサポートされているのだから、Googleの動きはWeb上の標準にとっての後退を意味する、と暗に述べている反応もあった。それらのコメントからわかるのは自由かつ妨害されないというWebのビジョンを基本的に誤解されているということである。特許によって制限されたデータフォーマットを拒絶しなければ、自由は得られないのだ。

要約すると、ChromeからH264を取り除くという決定はWebやハードウェアデバイス上の動画コンテンツ制作に実質的な変更をもたらすことはなさそうである。コンテンツ制作者は現時点ですでに行っているように、H264ビデオをネイティブに、あるいは、H264ビデオをサポートしないブラウザに対してはFlashラッパを通して配信し続けるだろう。さらに、Chromeはオープンであると主張することでオープンソースの歓心を買おうとしているが、実際はクローズドで特許に守られた部分のいくつかをChromeの中に残したままにしている。ネイティブまたはFlashラッパを使えば全てのブラウザはH264をサポーするので、ChromeがHTML5でH264をサポートするかどうかに意味はなくなる。

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