Androidの最新バージョンには新しい機能が含まれる。UIの“ホログラフィック”テーマやマルチコアサポート、3D向けハードウェアアクセラレーション, アニメーションフレームワーク、企業向け機能などだ。
2008年9月のメジャーバージョンリリースから始まって、Googleは2010年以外はすべての年でAndroidのメジャーバージョンを発表している。2010年は2.1(Éclair)、2.2(Froyo)、2.3(Gingerbread)の3つのマイナーバージョンをリリースしただけだ。Honeycombという名で知られているAndroid 3.0は最近になって発表されたが、これは最終リリースというよりはプレビューバージョンだ。
タブレット型端末を意識して作られたAndroid 3.0は“ホログラフィック”UIテーマ使った新しいインターフィイスをすべてのアプリケーション(新しいUIは高解像度のイメージを表示できる)から利用できる。この新しいテーマとこれに対応するウェジェットは明らかに携帯電話向けではなくもっと大きなスクリーン用に作られている。これはスマートフォン上でHoneycombがどのように見えるのかを示していて興味深い。
その他の面白そうな新しい機能は、
- システムバー– スクリーン下部のバーが常に表示される。しかし、アプリケーションがフルスクリーンで実行されるときは色が薄くなる。
- アクションバー –アプリケーションはすべて画面上部のドロップダウンメニューを利用できる。このメニューにはアプリケーションに関するコマンドや設定が含まれる。
- ホームスクリーン –5つのホームスクリーンがあり、ウェジェット、ショートカット、壁紙、検索窓をカスタマイズできる。
- マルチタスク –ステータスバーにはバックグラウンドで動作しているアプリケーションの情報が含まれる。Windows VistaやWindows 7と同じように、この情報にはアプリケーションの現在の状態のスナップショットが含まれる。
- コネクティビティ –HoneycombはMedia/Photo Transfer Protocol(MTP/PTP)をサポートし、USBやカメラやディスクトップからメディアファイルを同期できる。外付けキーボードもサポートする。また、Bluetoothでのデザリングも改善された。
- アニメーションフレームワーク – 開発者はウェジェットのアニメーションを制御できる。
- 2D向けのハードウエアアクセラレーション – Canvas、Paint、Xfermode、ColorFilter、Shader、Cameraでのほとんどの操作を高速にする新しいOpenGLの描画機構。
- Renderscriptの3Dグラフィクスエンジン –アプリケーションの3Dエフェクトを生成するフレームワーク。
- マルチコアサポート – Dalvik VMとBionicライブラリのマルチコアサポート。
- マルチメディア – HTTPストリーミングのサポート。プラグイン可能なDRMフレームワーク。
- 企業向け機能 – 暗号化されたストレージのサポート。パスワード有効期限、パスワード履歴、複雑なパスワードのサポート。
Android 3.0では以前のバージョン向けに作成されたアプリケーションの互換性は保証されている。さらにマニュフェストファイルで設定すれば新しいホログラフィックUIを利用することもできる。
開発者はプレビューSDKを利用できる。しかし、APIはまだ変更される可能性があることを念頭に置く必要がある。また、このバージョンの開発キットでビルドしたアプリケーションはAndroid Marketplaceに出品できない。SDKの最終バージョンが使えるのは来月になりそうだ。