昨年Googleは、JPEG画像のサイズを削減する新しい画像圧縮フォーマットであるWebPをアナウンスした。WebPは、ビデオをエンコードして圧縮する、WebMで使われているVP8コーデックから借りてきたアルゴリズムをベースとしている。1Mの画像を圧縮した後、Googleは、インターネットで転送されるデータの65%が画像であり、WebPは平均39%の画像サイズを削減するため、オープンソースの新しい画像フォーマットを検討することには魅力があると結論づけた。
新しいフォーマットは、Chrome 9以降とOpera 11.10以降(Opera Turbo)でサポートされている。Operaは、ページのダウンロードを高速化するために、いくつかの改善を行ったが、「最も大きな違いはおそらくWebPである」結果として、彼らは22%のデータ転送を減らし、260%のスピード向上が見られたと主張する。
オープンソースの最たる賛同者のひとつであるMozillaは、このフォーマットを承認していない。Jeff Muizelaar氏は、GoogleのWebPのパフォーマンスに関するstudyには、「いくつかの問題があり、完全に信じることはできない。」と主張する 彼はまたWebPには、JPEGでもサポートされていない「4:2:0 YCrCb以外」、「EXIFデータとICCカラープロファイル」、アルファチャネルサポートのような色表現の機能が欠けていると述べている。Muizelaar氏はまた、「Flickrは、クオリティ96のlibjpeg、Facebookは、85で圧縮している」ことからも、小さいサイズの画像にしたいと考えていないため、メジャーなWebサイトがWebPを使って圧縮することがあり得ないことに言及した。また、マイクロソフトはJPEG XRを提案しているため、WebPをサポートすることは考えられない。
Mozilla拡張リクエストでは、「WebP画像のサポートを実装」が、「修正なし」でクローズされている。Robert O'Callahan氏は、リクエストにおいて、1ヶ月前にMozillaからコメントを得ている。「我々は今日、WebPを実装したいとは考えていない。」Googleが将来これを向上させたときの余地を残している。「もし今後、大幅に改善されるとしたら、新しいバグか、これを再開させてください。」
しかしGoogleは先週、WebPを拡張することをアナウンスしており、新しいstudyを発行している:
- より高い画像クオリティ(サンプル)
- ダウンロード開始の直後に画像をデコードするプログレッシブデコードを可能にする
- 強いエッジのピクセルを削減する「fancy upsampler」
- パラメータ化された空間ノイズシャープ化
- JNIサポート
Googleはまた、アルファチャネルをサポートするためにスピードを向上して、メタデータの仕様書を完成させると言及した。
採用されているのは、GMail、 Picasa、 Google Instant Previews、そして、Photoshop、Microsoft Office 2010、Windows Media Center、Photo Editのようなメジャーな画像編集/描画アプリケーションまたはプラグインである。さらにコーデックは、Mac OSとLinuxに移植され、新しい画像フォーマットの採用を推し進めようとしている。新しいコーデックとJPEG-WebPを比較したstudyでは、Mozillaの批判の大部分に回答しているが、Firefoxにそれが含まれるかどうかについては、なにも言及がない。コミュニティからの熱心な要求からみて、Firefoxの拡張リクエストとMuizelaar氏のBlog 投稿に対するコメントになにか関連があるとすれば、何らかの理由で気乗りしていないと考えられる。WebPが、より広く採用されるか、GoogleとOperaのみが採用するにとどまるかは、時が経つまではわからない。