Microsoft Surface SDK 2.0 は Surface だけでなく,Windows Touch デバイスのアプリケーションの開発も可能だ。
Surface 2.0 は Surface 1.0 デバイスには対応していない。現時点で 2.0 に対応するデバイスとしては,HD 解像度と Pixel Sense を備えたSamsung SUR40, a 4”-thin 40”があるのみだ。Pixel Sense は 50 点以上の同時タッチを判別して,表面に触れているオブジェクトの認識を可能にするテクノロジである。このような詳細については以前から公表されていた。そして今回の Surface SDK 2.0 公開だ。SDK 2.0 の大きな特徴は,Windows Touch デバイスを開発対象にできる点にある。タッチ入力を備えた Windows 7 コンピュータがそれに当たるため,今回の SDK が対象とするデバイス領域は極めて大きなものになる。Surface デバイスはごく少数しかないが,Windows Touch デバイスはすでに数多く存在している上,今後はその増加がさらに加速すると見られている。
Windows Touch アプリケーションは,Surface アプリケーションと非常によく似ている。違いはSurface アプリケーションがフルHD 解像度とマルチタッチ関連の入力,指とブロブ (blob) の認識,タグ付きオブジェクト,傾斜表示,回転表示などの機能をサポートする点だ。
Surface 2.0 には2つの開発レイヤがある。
- プレゼンテーションレイヤ - WPF ベースの開発レイヤで,ほとんどのアプリケーションに適している。構築済みのタッチ操作対応コントロールの豊富なセットと XAML サポートを提供する。
- コアレイヤ - XNA ベースの開発環境で,3Dアニメーションやカスタムピクセルシェーダを使用したハイエンドグラフィックス向きである。
SDK 2.0 で導入された新機能には,次のようなものだ。
- HID (Human Interface Device) 入力のサポート
- あらゆる種類のタッチ入力をシミュレートする入力シミュレータツール
- SurfaceUserControl クラスの廃止と,タッチ操作をサポートする .NET 4.0 の UserControl クラスへの置き換え
- Surface 1.0 アプリケーションを 2.0 対応に変換するツール
MSDN の Surface の資料には SDK 2.0 に関するさらに詳しい情報が含まれている。また Microsoft からは,この Natural User Interface の詳細が Surface.com で提供されている。