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SamsungとCodenvyがArtik IDE for IoTをリリース

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原文(投稿日:2016/04/27)へのリンク

今日のSamsung Developers Conferenceで,Codenvyは,Samsung Artik IoTデバイスのアプリケーション開発が可能なSamsung Artik IDEの最初のパブリックリリースを発表した。ブラウザベースIDEとして評価が高く,今年3月のEclipseConでのリリース以降,すでに100,000件を越えるダウンロードを記録したEclipse CheをベースとするArtik IDEは,複数の言語によるアプリケーション開発とデバイス上のアプリケーションの管理が可能なブラウザベースのIDEである。

Screenshot of Artik Cloud IDE

JavaやJavaScript, Pythonなど,さまざまな言語のコード記述に使用することが可能だ。ブラウザベースのIDEとしては珍しく,CやC++のプログラミングにも対応している。それだけではなく,デバイスの検出や管理もIDEで行なうことができる。アプリケーションをビルドして,ターゲットデバイスでデバッグすることが可能だ。Artikデバイスはそれぞれ完全なネットワークスタックを持っているので,ネットワーク接続されたコンピュータとIDEを使って,SSH接続あるいは直結されたUSB経由でデバイスを操作することもできる。さらにArtikデバイスは,IoT(Internet of Things)の標準的なデバイス通信プロトコルであるMQTTCOAPもサポートしている。Artik Cloudとの通信を設定して,データや接続されたセンサからのテレメトリ,アプリケーション状態などをアップロードすることも可能だ。Artik CloudはSamsungが管理するサービスで,Rulesと呼ばれるトリガによって,MQTTなどの軽量プロトコル経由でのデータ入力時に一連の処理を起動する機能を備えている。これにより,データ値が変化した — 例えば“温度が0度に近づいた” — 場合に,サーバ側で適切なアクション — 例えば“ヒータをオンにする” — を実行することが可能になる。セキュリティ上重要な点として,これらのプロトコルはすべて暗号化されており,接続時には資格情報が使用される。Artik Cloudはこれに必要な暗号化や接続機能を提供する。

Eclipse Cheをベースとするため,クラウドベースのIDEで動作するように設計された他のプラグインやユーティリティを,Artikでも実行することができる。また,ブラウザシェルでホストされていることから,プラットフォーム依存性がなく,Webブラウザを持つ任意のデバイスで編集操作を行なうことができる。

Eclipse Cheプロジェクトのリーダを務めるCodenvy CEOのTyler Jewell氏は,新しいIDEを次のように評している。

Samsung Artikは,Eclipse IDEを中心に構築された大規模なコミュニティに対して門戸を開くことで,成長を続けるこの開発者ツールセットに新たなユーザを獲得してくれました。Samsung Artik IDEを使って,多くの開発者がioT開発に参加することが期待されます。SamsungとEclipse Foundationがサポートするこの新しいIDEは,IoTの潜在能力を引き出す製品やサービスを提供する,ソフトウェア開発の新たな世界を開いたのです。

Artikデバイスは,3軸ジャイロメータを持つ単純なデバイスセンサから2GHzのコンピュータモジュールまで,さまざまな構成のものがあり,サポートする処理もさまざまだ。Artik 1はWVGAをサポートし,Bluetooth Low Energy 4.0,デュアルコア250Mhzプロセッサ,1Mbのメモリ4Mbのフラッシュストレージを備えた,12x12mmサイズの最小デバイスだが,そのコンパクトさゆえ,C/C++プログラムのみをサポートする。Artik 5は1GHzのデュアルコア A7 CortexプロセッサとZigbee, Bluetooth/Bluetooth LE, 512Mbのメモリと4Gbのフラッシュストレージを備える。最大のArtik 10はHDMIと1.3GHzクアッドA7と1.5GHzクアッドA15 Cortexコアの8コア,2Gbのメモリと16Gbのオンボードストレージという構成だ。これらのデバイスを画面に接続してデバイス上でArtik IDEを実行したり,さらにはデバイス上でバックエンドサービスを実行することも可能である。

Samsung Artik IDEに関する情報は,EclipseのEclipse Cheプロジェクトで確認することができる。現在はベータ版がダウンロード可能だ。

 
 

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