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アプリケーションプラットフォームの領域でコンテナがVMを凌駕 - SDxCentral Survey調査より

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原文(投稿日:2017/08/21)へのリンク

SDXCentralが公開した2017 Container and Cloud Orchestration Reportの注目点のひとつは、この2年間でコンテナの採用が着実に増加し、アプリケーションプラットフォームの分野において仮想マシン(VM)を凌駕しつつあることだ。2016年には、コンテナを採用していた回答者はわずか8%であったが、今年は45%が採用済みと答えている。

3年目を迎えたこの年次レポートでは、クラウドオーケストレーションとオートメーションの状況に加えて、企業やその他の回答者が直面する課題にも焦点を当てている。回答者がコンテナ技術を採用したおもな理由としては、生成と破棄の速さ(63%)、認識されるオーバーヘッドがVMよりも低いこと(58%)、管理の容易さ(47%)などが挙げられている。これらがアプリケーションのテストやデプロイメントのスピードアップ、アプリケーションの移植性の向上、アプリケーションと基盤インフラストラクチャの分離によるセキュリティ向上、アップグレードメカニズムの標準化、といったメリットにつながっているのだ。


イメージ提供 - The SDxCentral 2017 Container and Cloud Orchestration Report

調査の回答者は企業(33%)、通信サービスプロバイダ(31%)、クラウドサービスプロバイダ(19%)などによって構成されている。2016年のレポートでは、回答者の76%がコンテナテクノロジについて評価はしていたが、配置していたのは8%に過ぎなかった。今年の調査では45%の回答者が、コンテナテクノロジの使用を認めている。まだデプロイはしていないが計画中であるという回答者の45%は来年、10%は3~6ヶ月以内に、35%は6~12ヶ月以内に実施を予定している。Forrester Researchによる同様の調査では、調査対象となった企業のIT組織の31%がコンテナをデプロイしているとともに、過去5ヶ月間の採用の増加のおもな理由として、コンテナを使用することでレガシーアプリのクラウドへのリフト・アンド・シフトの実施が容易になる点が挙げられている。

最もポピュラーなコンテナプラットフォームはKubernetesで64%、続いてDocker Swarmが36%、Apache Mesos/Mesosphereの18%となっている。Googleがそのオリジナルを開発したKubernetesは業務サポートが充実しており、Cloud Native Computing Foundation(CNCF)プロジェクトの一部にもなっている。Docker Inc.の開発したDocker Swarmは、Docker Engine用に最適化されている。同社の管理スタックは、このDocker Swarm上に構築されている。Dockerはまた、Windows Server 2016とMicrosoft AzureへのDockerサポートの組込みに関連して、Microsoftと提携している。Apache MesosはApache Foundationのプロジェクトで、Mesosphereはその商用バージョンである。これら以外に、プロプライエタリなプラットフォームも利用されている。

レポートによると、コンテナを採用する上でのおもな障害として、成熟度の全般的不足(51%)、管理およびデプロイツールの欠如(27%)、コンテナのスケールアップに関する知識不足(21%)などが挙げられている。成熟度の不足は、VMと比較した場合のパッケージングやエコシステムについてである、とも解釈できる。また、従来の管理ツールではコンテナを管理できないため、オーケストレーションツールを実行しているベアメタル上で運用するVM上に、コンテナをデプロイしている組織の例もある。その他の理由としては、潜在的なセキュリティ上の脆弱性、永続ストレージの欠如、ネットワークの選択肢が貧弱であること、などが挙げられた。ただし後者に関しては、最近では徐々に改善されている。

成熟したオーケストレーションプラットフォームは、採用の大きな動機になる。来年に関して、回答者の73%が仮想マシンを、68%がコンテナを使用すると予想していると同時に、その大部分(67%)は自分たちの選択したテクノロジを、オーケストレーション/オートメーションベンダがサポートしてくれるように望んでいる。

 
 

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