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DigitalOceanがコンピューティングプランと価格構成を改訂

原文(投稿日:2018/01/16)へのリンク

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仮想マシンを中心した自社クラウド機能の充実で2017年を過ごしたDigital Oceanの2018年は、いくつかのプロダクトと価格変更で始まった。同社は昨年、ファイアウォール、モニタリング、ロードバランサ、オブジェクトストレージのサポートを追加しているが、本日の発表では、CPU、メモリ、ストレージをアップグレードした、新たな3クラスのサーバが紹介された。

DigitalOceanは、開発者のためのパブリッククラウドを自認している。100万を越えるユーザを抱え、収益も増加傾向にある。同社は自らを、過剰なサービスと複雑な価格スキーマを抱えたパブリッククラウドに対するシンプルな代替案と位置づけている。DigitalOceanの仮想マシン — dropletと呼ばれる — には、Standard、Flexible、Optimizedという3つのプランがある。Standard dropletは月額5ドルからで、基本的なアプリを対象とする。月額15ドルのFlexible dropletには、3つのCPUとメモリの組み合わせがある。Optimized dropletは月額40ドルからで、CPU集約型のワークロードに向いている。

パブリッククラウドの価格競争は激しいが、DigitalOCeanは競争力のある位置を保っている。クラウドサービスの単純な比較は難しいが、ここでは2つのvCPU、4GBのRAM、80GBのローカルSSDストレージ、3TBの消費帯域を持った単一の仮想マシンを例にあげる。この場合、DigitalOceanのコストが0.03ドル/時であるのに対して、Amazon Lightsailは0.06ドルである。Microsoft Azureでは、同等の仮想マシンが約0.07ドル/時となる。ただし、仮想マシンのサイズやターゲットとする地域の違い、ロードバランサなどのサービスの付加により、価格差は必然的に発生する。

DigitalOceanの製品担当副社長であるShiven Ramji氏に、今回の発表について詳しく聞いた。

InfoQ: 今回、価格構成を変更したのはなぜですか?

Ramji: 当社は常に、最高の価格対性能とシンプルさを兼ね備えたサービスをユーザに提供しようと努めています。今回の新価格は、ユーザからの要求に対する直接的な回答であるとともに、ニーズに対する当社の継続的なコミットメントなのです。あらゆる種類の開発者や企業が当社のプラットフォームを利用するようになり、そのニーズも進化しています。新プランは、単純かつシンプルな価格構成を維持しつつ、彼らのニーズに応えるために最適化されています。

InfoQ: 計算オプションがアップグレードされたことで、データセンタに新たなハードウェアが必要になったのでしょうか?

Ramji: はい、いくつかのプランのために、ハードウェアを追加しました。例えば、CPU集約的なワークロード用に用意されたOptimizedプランは、パフォーマンスの優れた新世代のハードウェア上で運用されています。

InfoQ: 既存のdropletも変更されるのでしょうか、あるいはこれらのプランが影響するのは新たなdropletだけなのですか?

Ramji: これまでのdropletに変更はありません。これらは新しいプランなので、使用にはユーザ側のマイグレーションが必要になります。

InfoQ: “Flexible droplet”について詳しく教えてください。サーバのCPUやメモリの量を選択できるのですか?DigitalOceanにとってユニークな点は何でしょう?

Ramji: Flexibleプランは、同一価格でフレキシビリティを求めるユーザのニーズに応えたものです。3種類のコンフィギュレーションを15ドルで提供することで、開発者が自身のニーズに最も合ったコンフィギュレーションを選択できるようにしています。他のコンフィギュレーションへの切り換えも(ニーズが変化した場合には)簡単です。

InfoQ: 新しい高CPUホストには、MeltdownとSepctreの脆弱性に対処するパッチは適用済みなのでしょうか?

Ramji: 現在は、Intelや他のベンダがリリースしたパッチをテストしているところです。テストと検証が成功した後に、フリート全体でリブートを行う予定です。何らかのアクションを取る前に、ユーザにはリブートのスケジュールを連絡します。

InfoQ: 新しいdropletは現在、すべての場所で、全ユーザが利用できるのでしょうか?アクセスするために必要な、特別な登録はありますか?

Ramji: これらのdropletは、すべての場所とデータセンタで、すべてのユーザに提供されています。特別なアクセスや登録は必要ありません。

InfoQ: プレスリリースでは、秒単位の課金について言及されていますが、DigitalOceanでのサーバの平均実行時間はどれ位なのでしょう?秒単位の課金が即座に有益なほど短命なのでしょうか、あるいは一時的なワークロードを新たに呼び込むための方策なのですか?

Ramji: 平均的な実行時間はdropletのタイプによりますが、プランによっては使用されるdropletの50~60パーセントが1時間以内というケースも見られます。こういったバーストタイプのワークロードに対しては、今回の機能は非常に価値のあるものになります。一時的なワークロード用に当社のサービスを利用しているユーザはすでにたくさんいますが、さらに多くなることを期待しています。

InfoQ: DigitalOceanにとって、米国外で最も急速に拡大している地域はどこですか?その地域が好調な理由は何でしょう?

Ramji: インドや中国を始めとするアジアの国々では、引き続き大きな成長が見られています。当社はインド市場で積極的に活動しています。開発者と強い関わりを持つチームが現地にあって、とてもよく対応してくれているのです。インドは開発者人口も大きいので、急成長にもまったく不思議はありません。

InfoQ: DigitalOceanは現在でもオールLinuxのクラウドですが、Windows採用に対するユーザからのプレッシャはありませんか、あるいはユーザもLinuxに留まるように求めているのでしょうか?

Ramji: Windowsサービスに対するリクエストはありますが、市場の大半はまだLinuxを使い続けています。当社の顧客ベースはその市場を反映しているのです。Windowsをサポートする直近の計画はありませんが、将来的にはそのような選択をするかも知れません。

InfoQ: この1年ほど、一連の補完的なインフラストラクチャサービス(ファイアウォール、ロードバランシング、メトリクスなど)が追加されていますが、一部のクラウドベンダが、高レベルのアプリケーションサービスへとユーザの意識を移行させていることに対して、同じことをするというプレッシャを感じていますか?あるいはユーザと企業とのスイートスポットとして、今後も仮想マシンを重視する考えなのでしょうか?

Ramji: 当社は開発者のエクスペリエンスを非常に重視していますが、高レベルのアプリケーションサービスや抽象化も非常に要求の多い分野です。当社のユーザにとって、どちら一方というものではありません。いずれのタイプのコンピューティングにも需要がありますから、今後もバックボーンのスケーラビリティや信頼性、パフォーマンスの向上を継続すると同時に、オブジェクトストレージソリューション、Spaces、コンテナサービス、データベース、統合性、セキュリティ向上のための機能を充実させていきます。

 
 

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