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学びのためのペアリング

| 作者: Ben Linders フォローする 23 人のフォロワー , 翻訳者 h_yoshida _ フォローする 0 人のフォロワー 投稿日 2018年3月26日. 推定読書時間: 9 分 |

原文(投稿日:2018/02/15)へのリンク

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ペアリングを使えば,新たなトピックを学んで職場に持ち帰ったり,成果を目に見えるものにしたり,成功を共に祝ったりすることが可能になる。学習のパートナは,果敢な目標を立てることを互いに促したり,何らかの行動を宣言したり,その実現のために背中を優しく押したりすることのできる存在なのだ。

QAテクニカルリーダのToyer Mamoojee氏とシニアアジャイルテスタのElisabeth Hocke氏は,European Testing Conference 2018で,テストコミュニティにおける学習パートナの見つけ方について講演する予定だ。このカンファレンスは2月19日と20日に,オランダのアムステルダムで開催される。

テストは重要です。このカンファレンスは,専門家と実践家がテスト技術を共に語り,学び,実践するためのものです。テストをより効率的にする高度な新技法を探求するとともに,コミュニティをより強固なものに育てるための基本的な方法に関する理解を深めていきます。

Mamoojee氏とHocke氏が学習のためのペアをどのように組んだのか,そこから何を得たのか,InfoQは両氏にインタビューした。

InfoQ: 学習のためにペアを組もうと思った理由は何ですか?

Toyer Mamoojee: きっかけはAgile Testing days 2016でのLisaとの取り決めです。翌年のカンファレンスでプレゼンテーションを行うことを決めたのですが,この関係を今後も続けるべきだと思いました。テストに関する情報を共有するために,定期的なセッションを行うことにしたのもその時です。このことが,それまで不可能だと思っていた道への扉をたくさん開きました。その過程で私たちは,ずっと進歩と学習を続けてきたのです。

Elisabeth Hocke: Agile Testing Days 2016ではAbby Fichtnerさんが,“Pushing the Edge on What’s Possible”と題した素晴らしい基調講演を行いました。その講演で彼女は,Eleanor Rooseveltの“自分の恐れることを毎日ひとつ行いなさい”という言葉を紹介していました。講演全体が聴衆に対して自分の恐れを考え,語るように促したのです。Toyerと私は次の日のランチで会って,それと同じことを — 自分たちの恐れを分かち合いました。お判りと思いますが,大勢の前で話すことが一番怖かったのです。するとToyerが突然,ひとつの提案をしました — 彼が来年のカンファレンスに論文を提出するなら私も提出する,私が提出するなら彼も提出する,というものです。こんな状況に直面しても,普段の私なら,こういった取り決めに同意することはなかったでしょう。ですがその時の私は,大きな刺激を受けて,この取り決めに乗ることにしたのです。これが私たちの大きな飛躍になりました。今年のEuropean Testing Conferenceで私たちの経験を語れることにとても感激していますし,他の方々の学びに対する機会になればと思っています。

InfoQ: どのようなトピックを選んだのでしょう,それはなぜですか?

Hocke: おもな話題はもちろん,私たちの交わした取り決めです。もう一度Agile Testing Daysに,今度は後援するために戻ってくる,という取り決めです。ですから,私たちが学んだことの最初のひとつは,優れた提案書を書く方法でした。具体的には,講演のテーマを見つけることや,プログラム委員会やカンファレンス参加者に受けがよさそうな要約を作ること,何人かの人たちに論文をレビューしてもらうこと,そのフィードバックに従って修正すること,などです。講演のこの段階で学んだことが,すでに私たちにとって貴重な経験でした。最終的に提案書を提出することができた時は,本当にお祝いしたい気分でした!結果的にそれぞれが後援者として選ばれたことで,学びの機会はさらに広がりました。立派なスライドの用意やステージでの話し方,オーガナイザとの確認,ステージで話す不安を克服する方法など,さらに多くを学ぶことができたのです。その一方で,公衆の面前で話すということの他にも,お互いに学ぶことのできるトピックがいくつもあることがわかりました。

Mamoojee: 自分の仕事場に持って帰ることのできた具体的なトピックとして思い浮かぶのは,テストシナリオやテストケースの記述にマインドマップを使う方法です。これが私の職場で大きな成功を収めたことで,今回のペアリングが私自身と私のチームに大きな成果をもたらしたことを,事実として示すことができました。それまではテスト管理ツールやExcelを使ってテストケースを記述していたのですが,アジャイル環境での迅速なデリバリのためのものが欲しかったのです。その時にLisiが,彼女のプロジェクトで成功しているマインドマップを勧めてくれました。私が職場でユニークなものを導入することができたのは,この学習パートナのアドバイスのおかげ以外の何物でもありません。その他には,経験の浅いテスタの指導,休暇の移動,昇格試験,モブプログラミング,Tシャツのサイズの見積もり,地域社会への関与などといったことも話題になりました。

InfoQ: 遠隔地でペアを組んで学びたいという人たちに,何かアドバイスはありますか?

Mamoojee: 世界はあなたの思いのまま(The world is your oyster)なのですから,あなたの目標も同じように実を結ばせてください。今はすばらしいツールやリソースがたくさんありますから,これらを利用しない手はありません。ですから,私からのアドバイスは,相手がどこにいようと学習のパートナを探し出して,ビデオチャットやビデオミーティングを使って定期的に情報交換をする,ということです。完璧にマッチする学習パートナが見つかったら,目標が同じか違うかは関係なく,それぞれの目標がお互いを刺激するものであることが分かるはずです。ペアリングの最初数回のセッションでは,メモを取ったり,相手から学びたい分野や共有したい部分を気に留めたりすることも必要でしょう。“ギブ・アンド・テイク”の発想が,関係を価値のあるものにしてくれます。

Hocke: 地理的な距離が,こういった学習パートナを持っていないことの単なる言い訳として使われる場合もあります。ですが,近くにいないことがメリットになる場合もあるのです。例えば,違う大陸に住んでいれば,お互いを競争相手とは思わなくなりますから,安心して相手の成長を手助けすることができます。とは言っても,このようなパートナシップは,フォーラムやTwitter,あるいはSlackチームなど,一般的なアドバイスのためにネットにアクセスすることに比べれば,お互いの仕事の環境や個人的なバックグラウンド,動機などを知っているという意味で,よりパーソナルなものです。非常に貴重です。

InfoQ: 一緒に学ぶことで,どのようなメリットがありましたか?

Hocke: 学習パートナシップを通じて,たくさんのメリットを発見しました。大きな成果のひとつは,お互いが“責任仲間”のような存在である,という意識です。ご存知のように,私たちは互いに積極的な目標を宣言して,次の呼びかけまでに何をするかを約束します。先週のチームの経験についてのブログ記事を書く,というようなものです。実際に,チームとして初めてのモブセッションについて書いたことがあります。絶対に成功するという自信がなくても,お互いの背中を優しく押すことで,それを実現させることができるのです。あなたのブログ記事を楽しみにしている人のことを忘れないでください!それに,あなたの責任仲間をがっかりさせたくありませんよね?この方法は,驚くほど効果があります。励ますことと背中を押すことのバランスや,あまり強く押してはいけないということも分かってきました。

私にとってもうひとつの貴重なメリットは,成果が完全に目に見えるようになることで,目標達成を一緒に祝うことができた点です。これまでは,何か自慢をしているようで,自分に誇りを持つことが許されないように感じたことが少なくなかったのです。成果をはっきりさせて,お互いを応援することで,自分自身で成果を認めるということを学びました。

Mamoojee: 私が特に感じたメリットは,客観的なアドバイスを受けられることです(Lisiは今,テスタの数や使っているツール,採用しているプロセスに至るまで,私の立場を理解してくれています)。こうしたアドバイスが,短期,中期,長期すべての目標において,私たちを励ましてくれました。お互いのネットワークを通じて,普通ならば決して出会うことのないような人にアクセスすることもできました。この意味で私たちは,文字通り“小さくなった世界”に生きているのです。こうして広がったネットワークを活用して,世界中に新たなコネクションを作りました。

InfoQ: 一緒に学ぶことについて,どのようなことを学びましたか?

Mamoojee: Lisiが私のキャリアを新たな次元に推し進めてくれたことに,とても感謝しています。以前から自分のキャリアの中でやってみたいことがあったのですが,不安がいつも頭にありました。ペアを組んだことで,そういった不安が自分だけのものではないことが分かり,一緒に立ち向かうことができるようになったのです。動機とひらめき,そして意欲が,この経験を通じて得たものです。おそらく誰もが持っているものですが,それを引き出して,現実にそれを分かち合う人が必要なのです。私の学習スタイルや強み(と弱み),フィードバックへの対応方法など,自分自身についても多くを学びました。中でも重要だったのは,自分の“日頃の業務環境や行なっているすべてのこと”が,他の人たちにとって自分の環境を変える価値を見出すようなストーリになりえる,と分かったことです。ですから怖気付かず,とにかく発表し,共有することです!

Hocke: 私がこれまで独学の徒であったことは認めざるを得ませんし,ある面では現在もそうです。興味深いのは,私の仕事への貢献の方法もそれと同じだったことです。私はいつもチームワークを尊重していましたが,その後は自分自身の“タスク”を重視していました。昨年の経験は,一緒に学ぶことによってどれほど多くのことを学べるのかを,さまざまな形で私に教えてくれました。Toyerとの学習のパートナシップを通じて,これまでは不可能だと思っていたことを達成できました。仕事にモブやペアリングを取り入れたことが,一緒に実践することがどれほど重要な学習方法であるかを気付かせてくれたのです。この経験が,今年の新たな取り決めに参加する動機になりました — テストツアーをしたり,他のテスタを訪ねたり,お互いの成長を助ける目的で一緒にテストをしたりしています。今後どのようなことを共有できるのか,本当に楽しみです!そして何よりも素晴らしいのは,Toyerが私をずっとサポートしてくれていると同時に,私も彼の努力を支えている,ということです。

InfoQではEuropean Testing Conferenceについて,インタビューや記事でお伝えしている。

 
 

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