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KPN iTVのアジャイル変革

| 作者: Ben Linders フォローする 25 人のフォロワー , 翻訳者 h_yoshida フォローする 1 人のフォロワー 投稿日 2018年4月4日. 推定読書時間: 7 分 |

原文(投稿日:2018/02/22)へのリンク

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マネジメントチームは部隊の業務を直接指揮するチームではなく、作業環境を作り上げるリーダシップチームになった。自律的な部隊が自己選択によって構築されることにより、業務はもはやプロジェクトとして組織されるものではなくなり、永続的な自律型チームへと移行した - KPN iTVのアジャイル変革で実現されたおもな変化をあげるならば、このようになるだろう。

アジャイルコーチのEdgar Stormbroek氏と、アジャイル管理コンサルタントでコーチのMenno van Eekelen氏は、KPN iTVでのアジャイル変革の経験について、今年のAgile Consortium Netherlandsカンファレンスで講演した。InfoQではこのイベントについて、Q&Aや要約,記事を通じて紹介している。

Stormbroek、van Eekelen両氏に、アジャイル変革を始めた理由、変革が企業文化やリーダシップに与えた影響、チーム編成の手段として自己選択を用いた経験、変革から学んだこと、などについて話を聞いた。

InfoQ: KPN TVがアジャイル変革の開始を決めた理由は何ですか?

Stormbroek: 2015年末のKPNの役員会で、KPN iTVの改革のスピードについて議論されたことが契機になりました。改革は停滞していましたが、根本的な理由がはっきりしていなかったのです。

Van Eekelen: KPN TVの戦略のひとつとして、改革のスピードとデリバリ頻度を向上させるためには、アジャイルな組織が最適だと判断したからです。

InfoQ: 変革に際して、社員やマネジメントの関わり方はどのようなものだったのでしょう?彼らを巻き込むために、どのようなことをしましたか?

Van Eekelen: 最初はマネジメントチームを中心に、アジャイル組織に転換する上での自分たちの役割や、期待される行動について理解してもらうようにしました。上級マネジメントチームがアジャイル移行の責任者として、変革がより自然に実現するための環境作りを担うことになりました。

Stormbroek: その6週間後、マネジメントチームは、自分たちでは実現できないという結論に達して、20名からなる変革チームを組織しました。全員が同じ組織的アジャイルトレーニングを受講したメンバで、彼らが初期のアジャイル組織のデザインに大きく関わっています。他の160人の社員は、(iTV—Caféで)6週間のアップデートレッスンに参加しました。

InfoQ: 文化やリーダシップの面では、どのような影響がありましたか?

Stormbroek: 大きな影響がありました。私たちは、“文化は構造に従う”と考えています。社員と一緒になって、成果の提供に責任を負う自律的な部隊(5~9名)に全社員が所属するような、新たな組織をデザインしました。

Van Eekelen: マネジメントチームとしての大きな変化(とチャレンジ)は、リーダシップチームを変えたことです。従来のトップダウンによる指揮的な管理方法を改めて、部隊が指示によってではなく、自律的に行動できるような作業環境の構築方法を見つける必要がありました。

InfoQ: KPN iTVにはプロジェクトマネジメントという役職は存在しない、ということですが、それまでのプロジェクトマネージャはどうなったのですか?

Van Eekelen: 組織全体を5~9名の自律型チームに改編しました。チームにはそれぞれのプロダクトオーナとスクラムマスタがいて、プロジェクトマネジメントの役割は彼らが引き継いでいます。プロジェクトマネージャの一部はプロダクトオーナになりましたが、そのままの人もいます。

Stormbroek: これまでのようなプロジェクト制ではなく、永続的な自律型チームが作業を担当するようになりました。市場会議が作業の優先順位を設定した後に、プロダクトオーナのチームによって、どのチームがどの優先順位を選択するかが決められます。

Earlier, InfoQでは以前、自己選択(self-selection)に関して、“Creating Great Teams - How Self-Selection Lets People Excel”の著者であるMamoli氏とMole氏にインタビューしている。

Mamoli: 自己組織化チームとは、共通の目標に向かって活動し、意思決定を行う能力と権限を持ち、変化する要求に適応する意思を持った、意欲的な個人によって組織されたグループです。私たちの本では、自己組織化チームの成立を可能にするプロセスとして、自己選択を取り上げています。自己選択は全員をチームにまとめ上げる方法として、チームのレベルではなく、組織のレベルで行なわれるものです。

Mole: 簡単に言ってしまえば、何人かのマネージャが集まってチーム編成を決定する、これまでほとんどのビジネスで行われている一般的なチーム編成方法に取って代わるものです。

InfoQ: チーム編成に自己選択を採用していますが、その結果はどうだったのでしょう?

Stormbroek: 最初は25人で3つの(小さな)チャプタ(chapter)を作る実験から始めました。いくつかのガイドラインと目標の下で、彼らにチャプタを作ってもらったのです。

自己選択は4つのステップで行いました。

ステップ1: 準備段階。

各スクラムマスタが、自身のスクラム知識と経験、学びたいことを紹介したA4のプロフィールを書きました。

それを各自45分の持ち時間でお互いに説明し、プロフィールをさらに明確にしました。

ステップ2: 自己選択の第1ラウンド

各スクラムマスタが、自分が最も価値を提供できる、最も多くを学ぶことができる、と考えたチャプタ(5~9スペース)の壁に、自身のプロファイルを掲示しました。

ステップ3: 自己選択の第2ラウンド

第1ラウンドの後、3つのチャプタを見たメンバから、各グループの実力は同じレベルか?という疑問が上がりました。そうではなかったので、人員を入れ替えるために第2ラウンドを開始しました。

2回目の終了後に同じチェックを行なったところ、今度は各グループを等しく分けることができました。

ステップ4: 自身のキャプテンを選ぶ第3ラウンド

最後となる第3ラウンドでは、グループが自身のキャプテン(チャプタコーチ)を選びました。選ばれた人物がチャプタの立ち上げに際して、最初のミーティングを開催し、最初のバックログを進めるリーダの役割をするのです。

この方法はうまくいきました。私たちはこの実験から、メンバは非常に賢明な選択をすることができる、すばらしいチャプタを作ることができる、ということを学びました。実験が成功したので、175人の部署全体を対象として同じことを実施しました。

Van Eekelen: 共同創造(co-creation)プロセスに対する全員の参加意識が重要であると分かったのが、この実験の最大の収穫でした。全社員を小グループに分けたことで、自己選択プロセスを通じて考え方を共有し、新たなアプローチを通じてそれがフィードバックされたのだと思います。

フィードバックの方法はさまざまでした。ほとんどの人たちは、自分たちが発展させたいチャプタを自ら選択できるということが信じられないようでした。フレームワークや組織構造に対して自らが影響力を持つことを認識すると、フィードバックはより状況を理解するための質問に変わり、自分たちとチャプタの発展に何が重要かを考えるようになりました。共同創造への第一歩です。

InfoQ: この変革で何を学びましたか?アドバイスできることはありますか?

Van Eekelen: アジャイル変革への確信と権限を持った少人数のリーダシップチームと活動を共にしてください。これには時間が必要です。

私が行なったことのひとつは、アジャイル組織がどのように機能するのか、という質問に答えることです。質問するということは、聞く意思があり、関心があるという証拠です。

奇妙に思ったのは、経営陣がコンサルタントである私に対して、新しい組織と変革プロセスを提供してアジャイル変革を支援することを期待している点です。彼らもまた変革の一部であり、そのコンダクタであること、コンサルタントとしての私は彼らがアジャイルな思想による創造と活動を続けるように助言する立場であることを理解してもらうには、時間と忍耐が必要です。そのためには、まずはこの認識を持ってすでに活動を始めている小さなグループが中心となって、組織全体が同じ考え方を持つための最初の実験を定義するとよいでしょう。

Stormbroek: リーダシップチームに権限が与えられて、変革を確信できたならば、他の人たちと共同創造を行いましょう。何をすべきかは、彼らが一番分かっているのですから。

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