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アジャイル採用におけるマネジメントのサポート

| 作者: Ben Linders フォローする 23 人のフォロワー , 翻訳者 h_yoshida _ フォローする 0 人のフォロワー 投稿日 2018年6月26日. 推定読書時間: 10 分 |

原文(投稿日:2018/05/24)へのリンク

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ITがビジネスプロセスに浸透することにより、ビジネスの運営に関わるすべての人々にとって、ITの使われ方や日々の業務への影響を理解することが不可欠になっている。上級管理職であれば、サイロやチーム全体を見渡して、システム全体のスループットに影響を与えることが可能だ。ITマネージャや役員は、チームの効率的かつ効果的な活動を、ビジネスマネージャによる積極的な関与に頼っている。マネジメントの関与は、企業全体のアジャイルにおいても重要な問題だ。

How Agile and DevOps Enable Digital Readiness and Transformation”と題した研究には、アジャイルやDevOpsプラクティスを活用する上級管理職やITリーダの調査結果が含まれている。この調査はCA TechnologiesのFreeform Dynamicsによって行われた。

その調査の“有効性を改善する上で、以下の項目にはどの程度の優先順位を設定しますか?”という質問で、“すべてのレベルのマネジメントからのより多くのサポートとコミットメント”という項目に、全体の82パーセントが中から高の優先度を与えている。

InfoQは今回、Freeform DynamicsのEngagementディレクタで上級アナリストのTony Lock氏、CA TechnologiesのDigital Advisory & Consulting ServicesシニアディレクタのBen Carey氏と、アジャイル採用におけるマネジメントのサポートとコミットメントについて議論した。

InfoQ: お二方はディジタル対応と転換を実現する方法を探求する上で、アジャイルとDevOpsの組み合わせを調査されていますが、なぜこれが重要なのでしょう?

Tony Lock: 私たちの調査では以前から、アジャイルとDevOpsプラクティスのいずれか一方を採用しただけでもメリットがある、という企業からの報告が示されています。同じ認識は、アジャイルとDevOpsを個別に導入するよりも組み合わせた方がはるかに効果的である、という項目に対して、回答者の4分の3が同意する、ないし強く同意すると答えている点にも現れています。

Ben Carey: 回答者がアジャイルとDevOpsの組み合わせに対して、より多くの価値を見出しているというのは、意外なことではありません。アジャイルとDevOpsを併用することの真のメリットは、ビジネスレベルのアジリティとディジタル・レディネス(digital readiness)が必要とするエンドツーエンドの応答性と柔軟性に、より近づくことにあります。一般論として言えば、アジャイルとDevOpsという2つの用語は、大きな重複部分を持った広い意味に定義することが可能であり、いずれも文化や価値観の転換を必要とするものです。アジャイルがプロセスを重視するのに対して、DevOpsはCIやCD、オートメーションといった技術的なプラクティスに注目して、バリューストリームにおけるコミュニケーションやコラボレーションの改善を目的としています。DevOpsはアジャイル方法論を機能させる最も効率的な方法なので、最終的にエンドユーザに価値を提供するためには、どちらも必要なのです。

InfoQ: レポートの結論のひとつとして、“有効性を向上するには、すべてのレベルにおいて、マネジメントからのサポートとコミットメントが必要である”とありますが、どのようにしてこの結論に到達したのでしょうか?

Lock: 調査全体では82パーセントの回答者が、すべてのレベルのマネジメントからより多くのサポートとコミットメントを得ることが、優先度として高あるいは中である、と回答しています。今回の調査に加えて、上級ITプロフェッショナルとの対談においても、すべてではないにせよ、ほとんどのビジネスプロセスにITが組み込まれるようになっているため、ビジネスの運用に関わるすべての人たちが、ITがどのように使われているか、日々の業務をどのように変えるのかを認識する必要がある、という報告がされています。組織全体にわたるマネジメントのコミットメントがなくても、状況は変化し、改善されるのかも知れませんが、早さや効果の面で十分ではないでしょう。

Carey: どのレベルのマネージャでも、その組織単位に関係なく、意図的に自分たちの部門、自分たちの機能、自分たちのビジネスユニットを最適化しようとします。上級マネジメントの同意とサポートを受けることは、システム全体のスループットに影響するサイロやチーム全般を重視しながら、これらの組織単位を高い位置から大局的に擁護する人物が存在する、という事になります。

私たちはこれまで、先進的な顧客におけるリーダシップのパターン — 具体的に言えば、彼らが“リーダ”を特徴付ける方法 — について、いくつかの例を見てきました。先進的な顧客の多くには、運用のあり方を検証し、必要な変革を起こすことのできる権力と権限とリソースを持ったアドボケートが存在します — 彼らの多くは、組織内の変革に影響を与え得るだけの役職と能力とを兼ね備えたリーダです。あるいは、組織のもう少し低いレベルに、実質的なリーダの権限が下りていることもよくあります。これらのリーダはプログラムやグループ、あるいは部門を運営していて、他のグループを刺激してコラボレーションを促し、相互協力を通じてサイロを破壊するのに十分な影響力を備えているのです。これらのリーダは特定のグループを実際にリードしていますが、同時に変革のエージェントであり、ボトムアップによるアジャイルを促進しているのです。

InfoQ: このようなサポートとコミットメントを求めているのは誰なのでしょう、彼らにはなぜ、それが必要なのですか?

Carey: 多くの場合、役員によるサポートの要望は、より早く価値を提供する能力を向上したいという顧客中心の視点を持ち、それを推進する熱意を持ったエージェントから寄せられます -- しかしながら、変革を支持しない環境や文化的な問題により、その実現は限定的です。特に大規模な組織において、これを困難にしているのは、個々のグループリーダが、自身のビジネス領域を最適化するようにインセンティブを与えられていることです。アジャイルプラクティスがIT組織を越えてバリューストリーム全体に拡張される様子を見ていると、アジャイル採用が成熟していない、あるいは十分に理解されていない領域(運営やマーケティング、人事、金融といったチーム)において、このようなアドボケートがその領域の仮想的リーダとなっています。さらに、これらのチームやグループにはそれぞれ異なったプロセスやKPIがあるため、このような変革エージェントは、自分たちのグループが共感できるような言葉にアジャイルのメリットを翻訳する方法を見出さなくてはなりません。こういった理由から、変革を提唱するバリューストリーム全体の視野を備えたリーダの存在が重要なのです。

Lock: ITは日常業務の一部であって、独立したサイロではありません。ITマネージャと役員は、チームが効率的かつ効果的に作業する上で、事態を急速に発展させるためには、ビジネスマネージャの積極的な参画が必要であることを理解しています。それと同時に、ビジネスマネージャの側でも、自分たちがニーズの存在に気付く前に彼らが対応してくれることを期待しています。しかしながら、変革をより早く、より正確に、ITとビジネスオペレーションの中断を最小にする方法については議論の必要があります。

InfoQ: アジリティのレベルの高い企業も、同じ問題を抱えているのでしょうか、あるいは、これに対処するソリューションを見つけたのでしょうか?何か違うことをしているのでしょうか?

Lock: どのような組織も課題に直面していますが、直面している課題の性質は企業ごとにさまざまです。問題の核心は、コミュニケーションを交わして共に作業する人たちにあります。今回の調査では、より広範でより高いレベルのアジリティとDevOpsを備えた回答者、いわばアジリティマスタは、リスクテイクをサポートする協力的な文化を持った組織である確率が、そうでない組織に比較して2倍以上であることが示されています。同時に彼らは、ITとビジネス上の役員がビジネスを進める上で何が必要かという点で意見を共にし、顧客のニーズが何であるかを理解している企業である確率も高いのです。事実、調査結果でもアジリティマスタは、IT組織だけでなく、企業全体にアジャイルが浸透している企業に属している可能性の高いことが示されています。

Carey: リスクテイクとコラボレーションは、言わばアジリティの徴候です。高いアジリティを備えた企業により協力的な傾向があるのは、結果を得るためにはより多くの協力が必要であることを、経験から学んでいるからなのです。より多くのリスクを取るのは、早く失敗して早く学ぶことができるから -- 何かがうまくいかない時は、小さな賭けをたくさんする方が、大きな賭けをするよりも損失の少ないこともあるのです。ただし、対象がマスタであっても、あるいはそれ以外の一般的な組織であっても、マネジメントによるコミットメントは重要な問題です。マスタ組織にとってのコミットメントは、ひとつの部門的なサイロではなく、組織全体に影響を与えようという立場から、より戦略的な意味で必要なものなのです。

一般的な課題という意味では、企業の規模やアジャイル習熟度に関わらず、変革は難しく、時間を要するものです。特に数千人から数万人という社員を抱える組織では、各チームの複雑性も規模に応じて大きくなり、チームのやる気や刺激、変革を推進すべき理由への集中といったものが極めて重要になってきます。

InfoQ: アジャイル変革にマネージャを引き込むために、何かアドバイスはありますか?

Lock: 私はいつも、“今どこにいるのか、何がうまくいくのか、何をすぐに変えなくてはならないのか?”を見ることから始めています。すべてを一度に変えようとしないで、より多くのアジャイルアプローチを適用し、最優先事項に取り組んで解決し、結果が期待通りであるかチェックし、修正し、最初に戻るのです。しかし、すべての中で最も重要な要素は、良好なコミュニケーションの実現です。なぜ変わるのか、どのように変更されるのか、それに対して皆がどのように関わることができるのかを説明してください。そして、忘れてはならないのが、アジャイルであるということの核心は、これが変革の、頻繁で小さな変革の、終わりのないプロセスであるということです。アジャイル変革は終わりのないループなのです。常に何かが変わりますが、すべてを一度に行えるとは考えないでください。優先順位を付けて、教育し、コミュニケーションし、再検討するのです。

Carey: 私もそう思います。さらに、何が可能かを関係者に示す必要もあります。変革の後に存在する可能性と、新たな働き方を導入した後のビジネスがどのようなものになるかを示すことが、この取り組みを始める際のインスピレーションだけでなく、取り組みを続ける中で、その理由を思い出せるリマインダにもなり得るのです。それは単にバリューストリームマップのような既存プロセスをウォークスルーして、どれほどの無駄時間があるのか、製品提供時間を短縮することでどれほどの時間節約になるかを示すような単純なものかも知れませんし、れらのプラクティスを実際に適用した他企業の結果による、実際の成功事例の共有かも知れません。組織が変革を実行している場合、その多くは、差し迫った理由があるからです -- 新たな機会を求めてかも知れませんし、何か問題を修正したいのかも知れません。機能不全に陥った組織やプロセスに関しては、あまたの物語が存在します。チームやマネージャがこのような障害モードと、それが環境に与える影響を理解することは、変革に値する理由を示す上で役に立ちます。

 
 

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