Mozillaは先頃、Firefox 75をリリースした。ユーザの検索エクスペリエンスを改善すべく、アドレスバーが変更されている。さらに、<img>エレメントのloadingアトリビュートを設定することで、イメージの遅延ロードが可能になる。また、サイドエフェクトのない式についは、ブラウザのコンソールへの入力と同時に評価されるようになる。コロナウィルスによる制約にも関わらず、Mozillaは、2020年のFirefoxのリリーススケジュールを維持している。ただしFirefoxのロードマップについては、医療サービスにおけるユーザエクスペリエンスへの悪影響を回避し、ビデオカンファレンスに関する問題の修正を優先するための調整が行われている。
Firefox 75のアドレスバーのアップデートによって、よりスマートでより早い検索が可能になる、とMozillaは主張する。CTRL-L(Macではコマンド-L)を入力すると、ビューポートとフォントが大きくなり、URLが短くなった、新しいルックアンドフィールのアドレスバーが表示される。
アクセスを迅速にするため、新しいアドレスバーには、頻繁に参照するサイトのリストを表示することができる。すでにオープンされているサイトについてはSwitch to Tabが表示され、同じタブを何度も表示しないようにしている。一般的な検索サイト(GoogleやAmazonなど)へのショートカットも、キーワード提案と同時に表示される。
飾りのない以前のアドレスバーに復帰するには、Redditユーザのraphokが言うように、about:configで以下のプロパティをfalseに設定すればよい。
browser.urlbar.openViewOnFocus
browser.urlbar.update1
browser.urlbar.update1.interventions
browser.urlbar.update1.searchTips
Chrome 74に続いてFirefox 75でも、<img>エレメントでloadingアトリビュートをサポートするようになる。既定値である"eager"はイメージを即時ロードするが、"lazy"はイメージがビューポートの範囲に入るまでロードを遅延する。非可視コンテンツのロードを保留することにより、使用するデータ量とメモリ容量を低減し、1面のコンテンツ表示を高速化することが可能になる。
Console入力式の即時評価(instant evaluation)により、エラーの識別と修正がこれまでより早く行えるようになる。Web Consoleに入力された式にサイドエフェクトがなければ、入力と同時に結果がプレビューされる。
GoogleがChromeブラウザのメジャーリリースの一時停止を発表した(ただし緊急のセキュリティアップデートは継続)のに対して、MozillaはFirefoxの2020年リリーススケジュールを維持すると発表している。ただし、現在はその多くが自宅に留まっているユーザの便宜を図るため、機能提供に関するロードマップの調整が行われる可能性はある。Mozillaは次のように説明している。
私たちのユーザは現在、政府や医療に関する重要なサービスに中断なくアクセスする手段としてFirefoxを使用しています。そのため私たちは、ユーザエクスペリエンスに望ましくない影響を与えたり、Webサイトの閲覧に問題を生じるような変更の提供を回避する方向に進んでいます。例えば、現在特に利用度の高いビデオカンファレンスに関する問題の修正については、高い優先度を設定しています。今後については、後方互換性とユーザが直面している問題に対するポテンシャルに十分な注意を払いつつ、すべての新機能と計画済の変更の見直しを継続する予定です。
デスクトップ用Firefox 75はFirefox.comからダウンロード可能である。既存ユーザについては、自動的にアップグレードが行われる。AndroidおよびiOSユーザは、Google PlayとAppleのApp Storeからダウンロードが可能だ。