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HTML,H.264,Flash 総まとめ

作者 Alex Blewitt , 翻訳者 吉田 英人 投稿日 2010年2月18日

セクション
運用/インフラ,
設計/アーキテクチャ,
デベロップメント,
エンタープライズ・アーキテクチャ
トピック
Web 2.0 ,
Architecture
タグ
Flash ,
Google ,
Adobe ,
Apple

原文(投稿日:2010/02/05)へのリンク

nfoQ では先週,YouTube の HTML5 ベータの提供と H.264 フォーマット採用のニュースをお伝えした。その後間もなく,Vimeo からも HTML5 ベータの発表 があった。こちらもビデオコーデックには H.264 を使用する。

Mozilla のオープンソース・エバンジェリストである Chris Blizzard 氏は,Mozilla が Ogg に固執する理由 を説明するために GIF サブマリン特許 で起きた問題を引合いに出している。特許対象であった (しかしそれまではロイヤリティフリーだった) イメージフォーマットが Web 上でのデファクト(事実上の)標準となった後に,ロイヤリティ請求の標的にされた,というものだ。(特許は 2003 年から2004年の間に失効している。) このときは GIF のフリーな代替として PNG フォーマットが開発され,現在ではこちらの方が Web のデファクト標準になっている。

一方 H.264 は,MPEG-LA がそのライセンスを所有している。Mozilla の技術担当副社長である Mike Shaver 氏は,ライセンス料を支払わずに H.264 を使用するのは違法である,と指摘する。ただしインターネット上での無償視聴のために,初期費用については猶予期間が設定されていた。当初は 2010年末までの間であったが,後に 2015 年末まで 延長されている。ただしその分のライセンス料は,H.264 デコーディングを実装するハードウェアなどを通じて,潜在的に他のユーザが負担する形になっている。(Apple と Google は,自社の製品に対してライセンス料を課している。どちらのケースでもライセンス料には上限があるので,製品全体を固定金額で効率的にカバーできていることになる。)

単一ベンダとして最も H.264 の促進に貢献しているのは,おそらく Apple だろう (ただし H.264 が Blue-ray 仕様の一部である点にも注意は必要だ)。Apple はハードウェア H.264 デコード機能を備えたコンピュータと,H.264 ビデオを視聴可能なハンドヘルド機 (iPhone,iPod Touch,そして今度の iPad) を販売しているからだ。実際 YouTube が H.264 over Flash をサポートした一番の理由は,iPhone の YouTube アプリケーション用の H.264 ビデオストリームの解像度が低い,という Apple の主張にあったのだ。

先週の iPad 発表で議論は次の段階に入った。目ざとい読者はすでに気付いているだろうが,New York Times の Flash プラグインが missing plugin アイコンで表示されていた。もっとも Flash は iPhone でも動作しないのだから,驚くには及ばない。Jobs 氏は最近の Apple Town Hall で ,Flash を iPhone あるいは iPad に搭載することはない,と断言しているのだ。

[Adobe は]怠けています。面白い仕事のできる潜在能力はすべて持っているのに,彼らは単にそれを拒否しています。Apple が取り組んでいるアプローチ,例えば Carbon に対して,彼らは何もしないのです。Apple は Flash をサポートしません,バグが多すぎるからです。Mac がクラッシュするとき,大抵は Flash に原因があるのです。Flash なんて誰も使いませんよ。世界は HTML5 へ向かっているのですから。

Kevin Lynch 氏は,実際は何も問題はないのだ,と主張している

クラッシュの件に関しては,私たちは既知のクラッシュバグを抱えたまま Flash を出荷したことはない,と言えます。もしこれまでの歴史でそれほど広範な問題があったのなら,Flash が今日のように広く使われることもなかったでしょう。

パフォーマンスについては,ハードウェアが同一であれば,Windows で動作する Flash Player が,これまでずっと Mac よりも高速でした。両方のオペレーティングシステムで同じ Flash コードを動作させた場合,ほとんどがそうなのです。Flash Player 10.1 では,CoreAnimation に移行することによって CPU 使用率を大幅に低減しています。グラフィックレンダリングの面では,Mac 版も Windows より高速なくらいにまでなっていると思います。

ビデオレンダリングは,私たちがさらに注意を払っている部分です -- 例えば現在,1.8 Ghz の Mac Mini 上で動作する Safari で 480p のビデオを再生すると,Mac で 34 %,Windows では 16 % の CPU を使用します (BootCamp を使用して同じハードウェアで動作させた場合)。Flash Player 10.1 では Mac のビデオレンダリングが大幅に最適化され,CPU 使用率が約半分になっています。ビデオに関しては Windows とほぼ同じになりました。

iPhone/iPad 上の Flash サポート実現への支援を集めるための 草の根嘆願運動 がいくつも立ち上がっている。しかし iPhone がここ数年の間,Flash なしでも十分うまくやってきたことを考えると,成果はすぐには上がりそうもない。Daring Fireball を主宰する John Gruber 氏は,このブルーボックスに対して何かできることはあるのか,と問いかけている。ボールはずっと Apple側 のコートにある,というのが氏の答えだ。

 

Flash がサポートされていない場合に,いくつかの有名な(そしてひとつのあまり有名でない) Web サイトがどのように見えるか,ということの (シュミレーション的な) セットアップを,ある Flash 支援サイトが作り上げたものが TheFlashBlog にある。コンピュータ上で Flash コンテントが置かれるはずの場所に,'missing plugin' を示す図を photoshop で張り込んだものだが,実際にはこのようなことは起きない。なぜなら,これらのサイトをブラウズしたときにはモバイル用(H.264 対応)のものが すでに用意されている からだ。iPhone で 同じサイトを選択した 結果を Kendell Geiner 氏が公開しているが,Hulu と Farmvile には問題があるものの,その他は以前と同じように表示されている。

この2週間,Flash から HTML5 ビデオへの移行を推進するような,明確な動きが2つあった。第1にはいくつかの高解像度ビデオサイトが新技術を採用したことであり,第2はもちろん,Apple の iPad (同じシナリオは Apple iPhone の時にもあったはずだが) である。それでも,どちらのビデオコーデックが将来の主流となるかは,いまだ解決されない問題である。可能性の高そうなのは,大掛かりなサイトは H.264 互換のビデオを製作し,フリーサイト (Wikimedia のような) が Ogg に固執する,という状況だ。しかし最終的には (モバイルブラウジング環境としては圧倒的な大勢力である) iPhone/iPad 上でコードを動作させたいサイトは,H.264 の広範な採用を推し進めていくだろう。また Flash の置き換えが進むにつれて,Google Chrome ブラウザが Firefox のアドバンテージを侵食していくに違いない (その主な理由は Chrome が Ogg,H.264 両方を実行可能なことにある)。Firefox が何らかのプロプライエタリなビデオコーデックを実装するか,あるいは MPEGLA がソフトウェアデコーダの汎用ライセンスを提供するか。そのいずれかが実現しない限り, HTML5 コーデックの最終決定をめぐる論争は延々と続くことだろう。

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