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H.264,インターネットビデオ無償を継続へ

| 作者: Alex Blewitt フォローする 4 人のフォロワー , 翻訳者 吉田 英人 フォローする 0 人のフォロワー 投稿日 2010年9月22日. 推定読書時間: 4 分 |

原文(投稿日:2010/08/27)へのリンク

H.264 ビデオフォーマットの特許プール保持者である MPEG LA は先日,Web 上の無償ビデオに与えているライセンス保証期間を,ライセンスの有効期限にまで拡張した。

昨日の プレスリリース(pdf) で同社は,このフリーライセンスを 2015年12月に予定されるライセンス失効まで継続する,と発表している。

MPEG LA は本日,自社の保持する AVC 特許ポートフォリオライセンスに関して,エンドユーザに無償提供されるインターネットビデオ (いわゆる "インターネットブロードキャスト AVC ビデオ") に対しては,本ライセンスの全有効期間を通じて使用料を課さないと発表しました。同社の以前の発表では,このようなビデオに対しては 2015年12月31日までロイヤリティフリー (http://www.mpegla.com/Lists/MPEG%20LA%20News%20List/Attachments/226/n-10-02-02.pdf を参照)としていましたが,本日の発表によって,それ以降も使用料を課さないことが明確になりました。インターネットブロードキャスト AVC ビデオ以外の製品やサービスについては,これまでどおり使用料が必要です。

商業目的で H.264 を使用する場合すべてにおいて技術使用のための商用ライセンスが課されるが,YouTube などのサイトはこれまで,Web を通じて H.264 コンテンツを無料配信することができていた。しかし Blu-ray プレーヤなどハードウェアデコーダを持つ機器,iPhone のようにバッテリーに敏感なデバイスなどは,ライセンスの商業的側面を象徴する存在となっている。

今回の声明は,HTML5 video タグの代替フォーマットに関して続く議論に拍車をかけるものだ。(話題の背景として Dive Into HTML5 の概要 ,あるいは InfoQ の過去の この記事この記事 を参考にしてほしい。) Ian Hixson 氏が WhatWG メーリングリストで昨年説明したように,問題は HTML5 標準の公式フォーマットが存在しないことにある。

現在[2009年6月]の状況は次のとおりです。
  • Apple はハードウェアサポートの欠如と特許状況の不確実さを理由に,Ogg Theora の (Safari で使用するため) Quicktime でのデフォルト実装を拒否しています。
  • Google は Chrome に H.264 と Ogg Theora を実装していますが,Chromium のサードパーティ配布者に H.264 コーデックをライセンス供与する立場にありません。また同社は,Ogg Theora のビット品質 (quality-per-bit) は YouTube で扱うデータ量に対して不十分である,という意見を表明しています。
  • Opera は,関連特許のライセンス額が膨大であることを理由に H.264 の実装を拒否しています。
  • Mozilla は,自らのソフトウェア配布をカバーするライセンスを取得できないため,H.264 の実装を拒否しています。
  • マイクロソフトは <video> サポートに関してまったくコメントしていません。

その後 Google が On2 を買収し,同社の VP8 コーデックを WebM としてリリースした。(それに続いて Microsoft は H.264 の支持を表明している。)

これまで Theora を標準としてきたブラウザは,WebM についてもサポートすると思われるが,今回の発表が H.264 を支持する状況を変えるものになるとは考えられない。現時点では,ラインセンスが拡張されるのは H.264 でエンコードされたビデオを,Web 上で,しかも無償で配信する場合に限られている。有償でのビデオ配信 (iTunes ストアなど) あるいは H.264 をデコードするプログラムの開発や提供には所定のライセンスが必要だ。したがって Safari は H.264 を,Google は H.264 と WebM の両方を,それぞれサポートし続けるだろうが,一方で Opera と Mozilla Firefox は,依然として H.264 サポートを拒むものと思われる。

WebM の詳細な分析結果からは,仕様の記述に問題がある,という結論に加えて,分析の時点では「H.264 の特許負担の回避」という WebM の利点を否定するのに十分な類似点がある,という見解が得られている。問題領域の分析では,WebM と H.264 の重複部分が注目される。ffmpeg 用の より高速な WebM デコーダ の構築にあたって,既存の H.264 実装に 1400 行のコード を追加するだけで WebM 実装が構築できた,というのだ。

この「猫とねずみ」ゲームの最新版が,ブラウザの現在の状況を変えることはないだろう。しかしその一方で,2015 年以降のインターネット上のフリー配信ビデオにおいては,H.264 の使用を妨げる理由が何もなくなった,とも言える。特許は依然として存在し,ソフトウェアデコーダには変わらず使用料が要求される - そのために各ブラウザは,現在使用しているビデオコーデックを使い続けることになるだろう。しかし特許に束縛されない Web 上のビデオの将来については,今もなお回答が得られていないのだ。

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